夫婦滝

夫婦滝・岐阜県中津川市

夫婦滝目次

夫婦滝について

夫婦滝は岐阜県中津川市加子母地区のある滝で雄滝、雌滝(男滝、女滝と表記することもあります)の2本の滝で、乙女渓谷の主瀑です。

また、日本二百名山のひとつである小秀山の登山ルートにもあたります。

夫婦滝のある岐阜県中津川市加子母地区は、2005年に旧恵那郡加子母村が中津川市に編入した地区であり、広大な中津川市の最北端に位置しています

下呂市や東白川村、山を隔てて長野県王滝村と大桑村に接しています。地区内を流れる白川(加子母川)は、中津川市内を流れる他の河川が木曾川に流れるのに対し、東白川村方面へ流れ、飛騨川に合流します。

中津川市加子母地区は第一次産業が盛んな地区で、トマトをはじめとした農業や東濃ヒノキの一大産地になっています。

中津川市加子母地区は全域の94%が山林で、夫婦滝がある乙女渓谷周辺には、神宮備林があり、伊勢神宮の式年遷宮に使われる木材を供給しています。

また、1956年(昭和31年)から行われた国宝姫路城の解体修理の際には、加子母地区の国有林から、切り出された木材が心柱として使われています。中津川市加子母地区を含む東濃地域では、江戸時代中期以前から地歌舞伎が盛んでした。

地区内には、かしも明治座があり、毎年秋には、保存会の人たちによって、歌舞伎の公演が行われています。夫婦滝は小秀山の登山ルートにあたります。

小秀山は御嶽山系の阿寺山地にある標高1982mの山で、阿寺山地の最高峰の山です。山体は、岐阜県中津川市と長野県王滝村にまたがっています。

また、岐阜県の裏木曽県立自然公園にもなっています。日本二百名山・ぎふ百山・信州百名山に選定されています。山頂は高原状になっていて、遠方からはわかりにくいです。

その反面、山頂からの眺望は素晴らしく、360°の大パノラマを楽しむことができます。西側からは霊峰白山が、東側からは中央アルプス、さらには中央アルプス越しに南アルプスを望むことができます

そして、北側には御嶽山の雄大な山容を望むことができ、小秀山の魅力となっています。小秀山は、木曾川の支流である白川と王滝川の源流の山でもあります。また、小秀山は長野県から岐阜県にかけて存在する阿寺断層によって形成された山だと考えられています。山の上部には烏帽子岩や鎧岩などの巨石が点在しています。

山頂から南西へ1.5kmのところには、カブト岩(兜岩)と呼ばれる巨石のピークがあります。

小秀山の登山ルートは、従来岐阜県側の乙女渓谷から入り、夫婦滝を経て、カブト岩(兜岩)から山頂に至る健脚者向きの登山道しかありませんでした。

2006年頃から、長野県王滝村側からの登山道が開設されました。現在、この長野県側からの登山ルートが小秀山山頂へ行く最短ルートとなっています。乙女渓谷キャンプ場中央管理棟の脇から二ノ谷登山道が始まります。

夫婦滝までは、木製の階段状の遊歩道があります。夫婦滝から本格的な登山道となります。ここには、警告看板があり注意を促しています。

夫婦滝(雄滝)の滝口の先に、子滝・孫滝と続き、鎧岩を過ぎます。

その先、“カモシカ渡り”と呼ばれるやせた岩稜を登ります。登山ルート最大の難所で、斜度はほぼ垂直になっています。そこから、二ノ谷・三ノ谷分岐点を経て、カブト岩へ向かいます。カブト岩の頂きからの眺望を楽しんだ後、第1高原~第2高原~第3高原へと向かいます。

第1高原から名古屋市街を望むことができます。第3高原から10分ほどで山頂に到着できます。ここには、2010年(平成22年)に開設された避難小屋秀峰舎があります。また、夫婦滝近くにも避難小屋があります。

夫婦滝のある乙女渓谷は、岐阜県の裏木曽県立自然公園内にあります

木曾川水系飛騨川の支流白川の源流域の標高900mに位置しています。白川は上流域の中津川市加子母地区では加子母川と呼ばれます。加子母川は阿寺断層に沿って、加子母の谷を形成しています。その加子母の谷の最上流にあたる東本谷は阿寺山地を深く刻み込んだ谷です。

東本谷へ流れ込む支流「二ノ谷」にある全長約4kmの渓谷です。そのため、乙女渓谷は緑豊かな自然と夫婦滝をはじめとする絶景が楽しめる渓谷となっています。

二ノ谷は阿寺断層による堅硬な岩石からなる上昇地塊を深く刻んだことで、夫婦滝をはじめ、女淵・ねじれ滝・和合滝・子滝・孫滝などの滝が多くあります。また、乙女渓谷はシャクナゲの群生地でもあり、時期になると美しい花々が咲き、訪れる人を楽しませてくれます。

夫婦滝は遊歩道の途中に展望台があり雄滝・雌滝の2本の滝を眺めることができます。

雄滝の近くまで遊歩道が来ているので、落差80mの雄大な滝を堪能することができます。しかし、雌滝まではきちんとした道は整備されていませんので、近くで見ることは出来ません。

岩場を伝っていき、雌滝の近くまで行くことは可能であるようですが、滑りやすく危険であるので、あまりおすすめは出来ません。

夫婦滝の見どころ

乙女渓谷キャンプ場

夫婦滝へは乙女渓谷キャンプ場から木製の階段状の遊歩道が整備されています。

しかし、所々にガレ場のような箇所もありますので、トレッキングシューズを履いていくことをおすすめします。乙女渓谷キャンプ場中央管理棟の右側にある階段を下ると、乙女渓谷から夫婦滝へ至る遊歩道に出ます。

加子母川のせせらぎを聞きながら、5分ほど進むと、乙女淵に着きます。落差5mくらいの滝で、これが最初の滝となります。しばらく進むと、屛風岩に出ます。切り立った岩がまさに屛風のように立ちふさがり、川の流れを曲げています。屛風岩の先には、ねじれ滝があります。

落差は15mあり、その名の通り、水が岩にあたって、水が右に左になって落ちていきます

ねじれ滝を過ぎると、シャクナゲの群生地があり、花の見頃は5月中旬となっています。さらに進むと、遊歩道より少し離れて落差7mの和合の滝に出ます。その先には、声の泉があります。耳を澄ますと乙女のささやきが聞こえるといいます。

昔はこの泉の水を飲むと声が良くなると言われていました。声の泉の先には洞窟があり、冬季には氷柱ができます。

洞窟の先には、天狗岩があります。振り返ると天狗がいると言われています

以前は、天狗の鼻のように岩が突き出ていましたが、今は面影がありません。天狗岩から10分ほど進むと、避難小屋に出ます。時間的にもちょうどいいので、休憩をするにはうってつけの場所です。

土足厳禁・火気厳禁ですので、必ず守って利用してください。

さらに進むと、山の上に烏帽子に似た姿の巨岩が見えます。これが烏帽子岩です。烏帽子岩の先には、遊歩道から少し寄り道になりますが、旧展望台へいきますと、夫婦滝の雄滝と雌滝の2本の滝を望むことができます。

落差80mの雄滝と落差100mの雌滝を一緒に見るとまさに夫婦滝を実感できます。

旧展望台から5分ほどで夫婦滝(雄滝)に到着します。落差80mで幅広い雄滝を間近にするとその雄大さに圧倒されます。

マイナスイオンをたっぷりと感じることができます。

前にも述べましたが、雌滝まではきちんとした道は整備されていませんので、近くで見ることは出来ません。岩場を伝っていき、雌滝の近くまで行くことは可能であるようですが、滑りやすく危険であるので、あまりおすすめは出来ません。

また、冬季になると、夫婦滝は凍結して氷瀑となります。乙女渓谷キャンプ場から遊歩道で氷瀑をみることができますが、アイゼンなどの冬山登山の装備していかなければならないです。

夫婦滝付近

夫婦滝の周辺の観光スポットをご紹介いたします

加子母(かしも)の大杉 - 巨樹、巨木巡礼

乙女渓谷へ向かう途中にある国の天然記念物「加子母大杉」は独立した木で、国道257号線からも見ることができます。

樹齢は推定でおおよそ1000年、高さは約31m、幹回りは12.4mあります。この大杉にはふたつの伝説があります。

ひとつは、源頼朝が江馬与四郎を訪ねた折り、杖を逆さまにしたのが、この大杉だというもの。

もうひとつは、出家した5代執権北条時頼が、この地において、文覚上人が亡くなったことを聞いて、菩提を弔うために植えたのが、この大杉だというものです。大杉の横には、加子母大杉地蔵尊もあります。

同じ加子母地区には、ランプの宿で知られる渡合温泉があります。付知峡の奥にあり、電気もきていない秘湯の宿です。

泉質は低張性弱アルカリ性冷鉱泉です。

効能は、切り傷・未梢循環障害・冷え性・うつ状態・皮膚乾燥症です。江戸時代に発見された冷泉で、コウヤマキでできている湯船に、下から沸かす五右衛門風呂は、日頃の疲れを癒してくれます。

国道257号線には、道の駅加子母があり、名物の朴葉寿司や特産のトマトをはじめ、地元の新鮮野菜を購入することができます。また、少し足を延ばせば、日本三名泉のひとつ下呂温泉にも行くことができます。

アクセス

夫婦滝までは乙女渓谷キャンプ場から徒歩となりますので、乙女渓谷キャンプ場までのアクセスをご紹介します。

車の場合は、中央自動車道中津川インター、東海環状自動車道美濃加茂インターが最寄りとなります。

中津川インターから

中津川市を縦断する国道257号線を下呂市方面へ向かいます。

塞ノ神峠トンネルを抜けると、加子母地区に入ります。

小和知郵便局の北側の交差点を右折して、乙女渓谷キャンプ場の案内看板に従って進むと、キャンプ場の駐車場に着きます

中津川インターから約1時間で到着できます。

美濃加茂インターから

国道41号線を高山市方面へ向かいます。

下呂市帯雲橋交差点を右折して、国道257号線を中津川市方面へ向かいます。

舞台峠を越えると、加子母地区に入ります。

間もなくすると、小和知郵便局の北側の交差点を左折して、乙女渓谷キャンプ場の案内看板に従って進むと、キャンプ場の駐車場に着きます

また、下呂市へ向かう途中の白川町から県道62号下呂白川線及び国道256号線で、東白川村経由で向かうルートもあります。

乙女渓谷キャンプ場付近はやや細い道となっています。

駐車場は有料で500円となっています。

公共交通機関をご利用の場合は、JR高山線下呂駅から濃飛バス加子母行きで、舞台峠バス停下車。徒歩1時間強くらいで乙女渓谷キャンプ場に到着します。

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